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| おばあちゃんの路地裏ラーメン〜つたや |

| 横須賀市大滝町1-27 さいか屋前、三浦藤沢信用金庫脇を入る 「萬菜」の近く |
[地図] |
| ●営業時間情報● 12:00ころ-15:00 / 17:00ころ-21:00 〔毎週水曜日定休〕 ●電話● 046-825-0537 |
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| スープ | しょうゆ (薄口・濃い口選択可) |
![]() つたやのチャーシューワンタンメン 〜クリックすると 拡大画像が見られます |
| めん | 細めん/ちぢれ | |
| トッピング | ネギ・メンマ | |
| ねだん | ラーメン 500円 チャーシューメン 750円 チャーシューワンタンメン 800円 |
| 横須賀中央・大滝町。 さいか屋前の大通りを渡って細い路地を入ると、今までの喧騒がウソのように静かなエリアに突き当たる。 近くに飲み屋が多いから、おそらく夜ともなると一転して華やかな町並みに変身するのだろう。 そんな静かな昼間にひっそりとたたずむラーメン屋さん、それがつたやだ。 |
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お店の重い引き戸をガラガラと開けると、中にはカウンターとテーブル席が。 壁には古い食器棚が並び、隅のテレビからは高校野球が流れ、カウンターの中にいるおやじさんが客と酒を飲み交わしていた。 何だか、昔懐かしい大衆食堂兼居酒屋の雰囲気だ。 カウンターに座ってデジカメを取り出すと、おやじさんが話しかけてきた。 |
| 「おっ、いいカメラだね。ちょっと見てみなよ、この写真。」 おやじさんが指差した壁を見ると、そこには桜が咲き誇る中で白無垢姿の花嫁が船に乗っている大きな写真があった。 いいな、いい写真だ。 気さくに話しかけてくれるちょっと酔ったおやじさんとこの下町の路地裏にあるお店の懐かしい雰囲気。 いつしか、落ち着いた気分に浸ってしまっていた。 |
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| 壁にあるメニューの短冊からチャーシューワンタンメン(800円)を告げると、おやじさんは奥へ声をかける。 「おい、チャーシューワンタンメン作ってくれ。」 そして出てきたのはやさしそうなおばあちゃんだ。おそらく夫婦なんだろう。 「濃い口と薄口、どっちもできるよ。どうする?」 |
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手馴れた手つきでチャッチャッとメンをさばきながら、おばあちゃんがたずねる。 「そうだな、薄口で。」 目の前でサクサクとネギが刻まれ、トッピングが乗っけられ、カウンターにどんぶりが登場する。 ぷーんとしょうゆ系の香りが漂ってきた。見ると、透き通った醤油ラーメンらしい。 「はい、ラーメンね。」 |
| ラーメン? あれ、チャーシューワンタンメンを頼んだつもりなんだけどな・・・。 と思ったが、これでよかった。 このおばあちゃんが作ってくれるものなら何だっていい、そんな気分になっていたからだ。 さて、スープを一口。 あっさりとした、しょうゆ味だ。 |
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| 何というか、混ざりもののない、純粋なしょうゆスープ。 それでいてしっかりとダシがきいていて、薄すぎることも飽きることもない。 脂分もそれほど感じることなく、ほどよい加減でのどにするっと入るスープだ。 そしてメンは伝統の細ちぢれ。 コシがあってツルツルと口に運ぶと、ピチピチと踊るように飲み込まれていく。 |
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そしてチャーシューも絶品。 歯ごたえのある赤身と1割くらいあるあっさりした脂身がちょうどいい。 これで500円。 昔ながらの中華そば、という表現がこれほどぴったりくるラーメンはないんじゃないか?って思うようなどんぶりだった。 帰り際、にんじんの切れ端を水に浸しておくと芽が出ることを話してくれた。 「男の人だって、やってごらん。」 |
| ちょっと寒い風が吹いていた春の日。 あったかいラーメンを食べて、何だかあったかい気持ちになって店を後にした。 |
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| それからしばらくして、再びつたやに向かった。 この間食べることができなかったチャーシューワンタンメンを食べに、そしてあのおばあちゃんに会いに。 |
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| 午後3時すぎに着いたら、暖簾がしまってあった。 あれ?営業時間は確か昼から夜までだったはず・・・と思って戸をあけると、中には常連さんらしい人たちが酒を飲んでいる。 「いいよ。大丈夫。今火つけるから。」 おやじさんに聞くと、夕方は休憩することもあるらしい。 「でも時間なんてあってないようなもんだよ。休みが水曜なのは絶対だけどな。」 |
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| しばらく待っていると奥からおばあちゃんが登場。 前回と同じように手早くラーメンを作り始めるの見ると、何だか安心してしまうから不思議だ。 ワンタンは作り置きではなく、その場で皮にクルクルっと肉を巻いていく。 そしてチャーシューのタコ糸をほどき、一枚一枚ていねいに切っていく。 |
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「今日はちょっとオマケしとくからね。ほら、はじっこのところ。」 それを聞いてむちゃくちゃワクワクしてしまった。 最後にまな板の上からネギを刻むサクッ、サクッという音がして、今度こそ待ちに待ったチャーシューワンタンメン(800円)の完成だ。 ちなみに今度は濃い口を試してみた。 |
| オマケつきといえどもどんぶりいっぱいに広がるチャーシュー、その間にはテカテカ光るワンタンが控え、そしてコシのある細ちぢれめんが下から顔をのぞかせる。 濃い口のスープはやっぱりダシがしっかりしていて、コクが増してなかなかいい。 パクッと一口チャーシューをかじると、じゅるっと肉汁が染み出してきた。 「うまい・・・。」 思わずそうつぶやくと、おばあちゃんが話しかけてきた。 「そうでしょ。だってここで50年やってるからね。」 50年、この路地裏でていねいに作り続けてきたラーメン。 この味わい深い透き通ったスープと絶品のチャーシューはそんな時間のたまものだったのだ。 |
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| 「このチャーシューはね・・・」 おばあちゃんはその作り方を教えてくれた。 豚のもも肉を縛り、薄口しょうゆに浸して、沸騰しない程度に煮るだけ。 「えっ?それだけでできるの?」 「そう。ただし、薄口しょうゆね。一升くらい使うよ。」 20分くらい煮てから箸で持ち上げると、ふっと肉が軽くなっているんだという。 |
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| 「そこの加減は、経験経験。」 そんなふうにして作り続けたチャーシューは、まるで魔法がかけられたかのように旨みが凝縮し、脂が適度で、そして歯ごたえが絶妙だった。 チャーシューの作り方は本当に店によっていろいろあると思う。 調味料や肉や火加減などの工夫を、どこもこだわって、そしてたくさんの知識を集結させて作り上げていく。 そうやってあれこれするのが「こだわり」になるんだろう。 でも、このおばあちゃんのように至ってシンプルな作り方でこれだけの味をひょいと出してしまう、そっちの方が本当のこだわりなのかもしれない、って思った。 |
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そしてワンタンも信じられないくらいうまかった。 何というか、このつるっとした食感は他ではそう味わえるものではない。 もちもちっとした皮はすぐに崩れてしまうようなものではなく、しっかりとした歯ごたえを残したままのどを通過する。 「この皮は業者に頼んでるけどね。肉をちょこっと巻くのがコツなんだよ。」 |
| そんなふうに語るおばあちゃんはとってもうれしそうだ。 そして、聞いているこっちも、夏の夕方におばあちゃんと話をしているような、そんな優しさに包まれて楽しくなってくる。 別れ際、おばあちゃんはこんなことを言ってくれた。 「チャーシュー、簡単だよ。男の人だって、やってごらんよ。」 別に何ら特殊なことはしていない、こだわり。 時間と経験が生み出した魔法。 ラーメンを作り続ける技術と味と、そして人と雰囲気。 いいラーメン屋さんの条件がそういうものだとしたら、ここは限りなくパーフェクトに近いと思う。 暖簾をくぐったときから始まる、懐かしい中華そばのストーリー。 それが50年間続いていることは、この路地裏の奇跡なのかもしれない。 |
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| 2003.4.2 |
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