| 三崎館といえば、その名物は『まぐろのかぶと焼』。マグロの頭の部分を丸ごと焼き、中身を食べるものだ。もともとは、マグロ船の船員たちが、船の煙突の余熱を利用してカブトを蒸し焼きにして、船上で食べていたのが始まりだという。そう、カブト1つで、約15人前。この料理は、みんなでワイワイと酒を飲みながら楽しむものなのだ。 |
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| まぐろづくしのコースを15人以上で頼めば、サービスでついてくるというから、宴会にはピッタリなのだ。さて、今か今かと待っていると、大きな皿に乗ったかぶとが、香ばしい香りとともにドーンと登場した。高さが4〜50cmほどあるメバチマグロ。これを専用のオーブンで、何もつけずに4時間焼いたものだ。型崩れがないので、メバチが最適なのだという。もちろん、中までしっかり火が通っている。 |
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| しかし、三崎館でかぶと焼を商品化するまでには、かなりの試行錯誤があったようだ。脂の出かたや焼き加減、そして煙…。最初のうちは、火が強くて燃えてしまったことも多々あったとか。幾度かの失敗を経て工夫を重ね、“企業秘密”の火加減にたどり着いたのだ。1日に10個ほど焼くというかぶと。「店の冷凍庫には、マグロの頭がたくさん詰まっていて、知らずに開けたらびっくりしますよ」(笑) |
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| さて、いよいよ“解体ショー”のはじまり。若女将が、手馴れた手つきでナイフを入れると、焼きたてのかぶとからはバリバリと音がした。まずは、目玉。眼肉はもとより、目の奥の肉はゼラチン質がトロトロとしていて、もちろん「DHA」がたっぷり。よく火が通っているので、アツアツを食べられる。さらにほほ肉やカマ、ハチノミ(脳天)といった脂身たっぷりの人気部位が、どんどん皿に盛られていく。 |
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| 圧巻は、“口の中”。下のほうからたっぷりと身を取ったら、おもむろに口をガバッと開ける。そのグロテスクな姿に、思わず息を呑んで見守ってしまうが、現れたのは“上あごの皮”だった。「とってもやわらかくて、脂がたっぷり。この部分を楽しみにして来るお客様もいらっしゃるんですよ」。昔は全て捨てていたという部分だが、今となっては貴重品。マグロには、捨てる部分などないのだ。 |
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| さて、かぶとの中身がからっぽになる頃には、用意された皿にはトロトロの身がたくさん。そのまま食べても、醤油をサッとかけて食べるのもいい。さらに、たっぷりの大根おろしと醤油で食べれば、さっぱりと脂身を味わうことができる。マグロづくしも含めて、まさに“マグロ全部”を平らげることができる、三崎館の料理。港の目の前で、豪快にマグロを食い尽くせるのも、ここならではのことなのだ。 |
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