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| 秋の三浦半島ウォーク2002・第5弾 三浦半島最後の秘境をゆく!〜二子山ウォーク【後編】 |

| ●もくじ● | |
| 【前編】尾根伝い、こもれびの森〜二子山への道 | |
| 山に入り、尾根伝いにひたすら二子山をめざして歩きます | |
| 【後編】水の精がすむ森へ〜森戸川源流への道 | |
| 森戸川の源流でマイナスイオンを浴び、道なき道を通ってゴールをめざします |
| ◆水の精がすむ森へ〜森戸川源流への道 | |
| 207.9mの二子山頂上。 長い山道を歩いてやっとたどり着いたそこは、低い展望台があるだけの、拍子抜けするくらい素朴な場所だった。 けれども、そこが素朴であればあるほど山頂を取り囲む自然は生き生きと見える。 余計なものがほとんどない開放感。 山の頂って、本当はそうであるべきなのかもしれない。 |
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さっそく、小さな展望台にのぼってみた。 北を見ると、遠く横浜のランドマークタワーやみなとみらいの建物群がくっきり見え、八景島や長浦の港、そして南西方向には大楠山の尾根や湘南国際村が一望できる。 空気の澄んだ晴れた日を選べば相当なビューだし、最高の夕陽にもめぐり合えるかもしれない。 |
| そしてふと下を見ると、そこには一面にすすきやセイタカアワダチソウが生い茂っていた。 冬支度をしはじめた木枯らし色の木々に黄色やうす茶色の淡くてやわらかい色がまざってとってもきれいだ。 取材したのが10月上旬だったためまだ紅葉は始まっていなかったが、これで赤やオレンジが加わればかなり絵になる風景だ。 |
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さて、本当の冒険はここから。 森戸川の源流を目指す。 さっき登ってきた山頂への広い道を下り、『森戸川源流へ』という看板に従ってわき道を行く。 再び道は狭くなり、うっそうとした森の中を一歩一歩進んでいく。 まるで人を近づけないように木が倒れ、足元も悪くなってくる。 |
| 地図を見ると、ここは逗子市・桜山。 その深い谷にどんどんと下りていくと、森はだんだんと荘厳な雰囲気になってきた。 空に向かってそびえる巨木。 シダが生い茂る足元。 そして、天からふりそそぐやわらかな光。 そんな風景の中をゆっくり歩いていると、岩の間から、水が。 森戸川の、源流だ。 |
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桜山から谷を伝って葉山・森戸神社まで流れる森戸川。 ここは、何箇所かある源流のうちのひとつだ。 岩から豊富に流れ出る冷たい水は、やがてあちこちからの流れと合流し、大きな流れになって相模湾へと向かっていく。 ここからは、しばらく誕生したばかりの森戸川といっしょに谷を下っていくことになる。 雨の後などは足場がかなりぬかるんでいるので要注意だ。 |
| チョロチョロと流れる清流を足元に感じながら足場の悪い道なき道を進む。 しばらくすると清流はだんだんと川の様相を呈してくる。 その辺りからは高台に細い側道が登場する。 しかし今回はその下の森戸川の中を石伝いに歩いてみた。 さらさら、という音がいつしか大きくなり、周りの岩や木々を巻き込んでさながら清流のオーケストラのようだ。 |
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そんなさわやかな演奏を楽しみつつ、足元に気をつけながら進む。 しばらく行くとその音はザーッという大きな水の流れにかき消されるようになった。 見ると、奥に小さな滝があった。 4,5mほどの落差だろうか。 さきほどの源流とはまた違う方向から、豊富な湧き水が大量に流れ落ちてきていた。 こうして名もない水の流れがたくさん集まって、森戸川ができていく。 |
| マイナスイオンをめいいっぱい浴びながら川に沿って進んで行くとちょっと広い場所に出た。 森戸川下流からのハイキングコースとの合流点だ。 ここにはベンチがあって、みんな思い思いに風景を楽しんでいた。 たっぷりと水をたたえる清流を見ながら、休憩。 水の音や鳥の声を聞きながらごはんを食べる。 こんな場所が三浦半島にあることに感謝だ。 |
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さて、ここで森戸川下流に向かって行くのが普通のルートだが、冒険の道へ。 尾根をぐるっと回り、出発点へと行くのだ。 地図を見ても、もうここがどこだかわからない。 案内人の2人は茂みの中にズカズカと分け入っていく。 え?ここが道?というようなところを入って行くのだ。 今までのルートも十分冒険だけれど、とにかくここはすごかった。 |
| まるで「ジュラシックパーク」のジャングルのような雰囲気。 恐竜じゃなくても後ろからイノシシとか野犬とかがドカドカ走ってきてもおかしくはない。 日暮れ間近にここに入ったら、そこら辺で夜を明かすことになるかもしれないようなルートだ。 そして気を抜くと巨大グモが顔についたりするので、慎重に、草を分けながら進む。 当然、この道はあまり人が通らない。 だから木々は安心してどんどん枝を伸ばしていくのだ。 |
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もう道だか道じゃないんだかわからない。 どう見たって行き止まりだろ?みたいなところだって道。 そんな道を歩いていると、自分がどこにいるのか分からなくなってくる。 ここはひょっとして三浦半島ではないんじゃないか?って思うような場所。 見渡す限り山、山、山。 電線なんて一本もないし、車の音もない。 生き物たちの家の中をちょっと失礼して通過しているような感覚だ。 |
| しかもかなり傾斜がある。 最後の登りは相当きついから要注意だ。 やっとのことで登ぼりおえると、そこは交差点だった。 久々に見る表示板。 もしもここにこれがなければ、山を一晩中さまようことになるかもしれない。 文字が何だか光り輝いて見えるのは気のせいだろうか。 |
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しかしその文字を見て笑った。 今まで登ってきた道にはちゃんと名前が付いていて、それが『森戸川渓谷散歩道』なんだという。 散歩道!? だとしたら、ここは日本一過酷な散歩道かもしれない。 さて、この6畳ほどのスペースしかない交差点を右折し、『中尾根縦走道』に入ることにする。 |
| こちらは打って変わっていい雰囲気。 尾根の頂上を進んでいくので木はそんなに生い茂っていないし明るくて周りの景色も堪能できる。 そもそもちゃんと道があるだけでもありがたい。 こっちこそ『散歩道』って名づけたほうがいいんじゃないか?なんて思う。 |
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とはいえ今までがきつかっただけかもしれない。 傾斜はあるし道も細い。 そんな道を歩いていたら、前からゴソゴソって音がしてマウンテンバイクが3台出てきた。 これにはびっくりした。 この道をマウンテンバイクで走るなんてもう尋常じゃない。 細い道から外れたらガケ。 転倒したら、大ケガだ。 |
| 明るい尾根には、果実もあった。 柿の木がたくさんの実をぶらさげている。 その木によじ登って柿をふるい落とす石井ちゃん、まるでサルだ。 マウンテンバイクといいサルといい、山の楽しみ方はいろいろ。 ちなみに、この柿はかなり苦かった様子。 |
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進んでいくと、道は東京電力の鉄塔の真下を通っていた。 遠くを見ると、南から来た電線がここを経由して尾根伝いにずーっと横浜にのびていた。 おそらく東京電力の久里浜火力発電所が始点なんだろう。 山から山へとこのバカでかい鉄塔を伝って、電気は北へ向かう。 それにしてもこんな場所に、よく鉄塔を作ったものだ。 |
| 資材を運ぶだけでも大変だろうし、鉄塔ができてから次の鉄塔へ電線を通すのもえらい騒ぎだろう。 ヘリを使ってやっているかもしれないけれど、これだけの山の上に鉄のかたまりを運んで組み立て、そして何本もの太い電線を渡していく作業は並大抵のものではないだろう。 山の上を伝う何本の鉄塔を見るのはちょっと不思議な光景だった。 |
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ここまで来ればあとはひたすら下るだけ。 途中、開けた絶景スポットがあって、ランドマークタワーから汐入方面までずーっと見渡せた。 もちろん、猿島も。 何だか安心するこの眺め。 ちゃんと三浦半島にいる証拠が目の前にあるようだ。 ここからの道は滑りやすい下りなので注意が必要だ。 足元が明るいうちに通過したほうがいい。 |
| ちょっと急になっているガケを下り、ゴツゴツした坂を通り、そして静かでひんやりとした杉林の間を通って田浦の街におりていく。 気がつけば、ここを出発してから6時間以上が経過していた。 足もヒザもガクガクだけれど、心地よい冒険だった。 三浦半島にこの山々がある奇跡。 また秘境が恋しくなったら、このラビリンスを目指して歩き出すんだろう。 |
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| 2002.11.24 |