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世界を見つめる要塞地帯をゆく!〜横須賀軍港めぐり
★現在は汐入桟橋発着の「YOKOSUKA軍港めぐり」になっています。
●乗船料●
大人1200円 / 子供600円
●問い合わせ●
トライアングル三笠営業所046-825-7144

横須賀は明治時代から海軍が拠点を構えてきた場所だ。
1865年に日本初の横須賀製鉄所ができてから、旧日本海軍、そして在日アメリカ海軍と自衛隊がずっとここを利用している。
なのでここ、横須賀北東に位置する交通至便な一等地は、ほとんど市民が入ったことのない不思議なエリアだ。
43万都市の中心部のすぐ近くに広大なアメリカ軍と自衛隊の基地があるというのもなかなか珍しい。そんなもうひとつの横須賀をディープにめぐるのが、この『軍港めぐり』だ。
シーフレンド1が出航
猿島は人でいっぱい その名のとおり、横須賀港を中心とした要塞エリア地図参照)を観光船に乗って海からながめるというのがこのツアー。運行するのは猿島への渡船をしているトライアングルという会社だ。
しかも船はゴールデンウィーク中全日と夏休みの土日祝日、さらに各日13時からの1便のみ運行という超レアな企画
こんな経験はめったにできない、とゴールデンウィークを待ちわびて予約を入れた。
出航時刻の40分前に記念艦三笠そばの乗り場に着くと、すでに長い列ができていた。
予約していた名前を告げてチケット(1200円)を受け取り、最後尾につく。
直前に朝日新聞で取り上げられたこともあって、この日はキャンセル待ちが出るほどの人気だった。艦船マニアばかりかな?とも思ったが、性別・世代ともにバラエティーに富んでいた。これだけ見れば猿島行きの船と何ら変わらない。
春真っ盛りの暖かい日差しとさわやかな風を受けながら、55分のディープなクルージングはスタートした。
16000人が住む街
6号ドッグのクレーン 猿島を右前方に見ながら、船は大きく左に舵を切り、アメリカ海軍横須賀基地の沖に出る。
この米軍基地は第7艦隊の司令部が置かれている要衝だ。
第7艦隊はハワイより西からアフリカ・喜望峰までという広大な領域を担当する世界最大の艦隊で、11隻の艦艇・兵力10万人規模で展開するというからすごい。
空母1つとってみても5000人くらいが搭乗しているのだから、第7艦隊を支えるこの街も巨大であるのは言うまでもない。
16000人が住む日本の中のアメリカ
目の前に大きなマンションが数棟建っている。この広大な敷地には学校・病院・映画館・銀行・ボーリング場・レストラン・デパートなど、街を形成するありとあらゆるものがそろっているという。
ここにないものは火葬場と墓場だけ」というアナウンス。なるほど・・・。
船の後方には猿島、左には基地のマンション群、前方には追浜の工場、遠く右前にはベイブリッジ、そしてすぐ近くでは何隻もの釣り船・・・と平和で快適なクルージングが続くが、船が横須賀本港にぐるっと回り込むと景色は灰色に一変した。
旗艦(揚陸指揮艦)・ブルーリッジ
誘導ミサイル駆逐艦・カーチスウィルバー 前方左に6号ドッグと大きな青いクレーンが見えてきた。
ここは空母がよく停泊するところだが、ここを母港とする空母キティーホーク(83960トン)は2002年3月にペルシャ湾方面へ展開して不在だ。
そしてそのとなりの埠頭には第7艦隊旗艦の揚陸指揮艦・ブルーリッジ(18372t)[上の画像]がどーんと控えていた。この司令室からは全世界の艦隊の展開を把握できるという。
そしてその隣には誘導ミサイル駆逐艦・カーティスウィルバー(8422t)[左の画像]が。
こちらは今話題のイージスシステムを搭載した新鋭艦だ。これは船体表面のレーダーによって周囲360度をカバーし、同時に154もの目標を探知する。そして攻撃には同時に約18もの目標に対処できるという高度防空システムである。
これを配備しているのは世界でもアメリカ海軍と日本の自衛隊だけ
そして、ここにはカーティスウィルバーのすぐそばに日本のイージス艦があった。
船は海上自衛隊の基地へと進んでいく。
護衛艦・きりしま
第一護衛艦隊 JR横須賀駅の裏あたりの吉倉桟橋には、海上自衛隊第1護衛艦隊の8隻が仲良く並んでいる。
上の画像は護衛艦・きりしま(7250トン)。イージス艦だ。カーティスウィルバー同様、艦橋付近はレーダーで覆われている。アナウンスによると、その傾斜角度は7度らしい。
余談だが、この案内アナウンスはものすごく詳しい。おじさんの味のある声での説明は、思わずメモしたくなるくらいだ。
しかも乗船時にもらう8ページにわたるパンフレットはマニア必見の詳細なものだ。歴史と軍隊にさほど興味のない人は港と海の風景を、そしてマニアはパンフ片手に艦船を間近に・・・と、楽しみ方がいろいろなツアー。
しかもいずれにしてもこの景色はめったに見られるものではない。
上の画像はいかづち(107番/4550トン)、むらさめ(101番/4550トン)の2隻の護衛艦と練習艦・あすか(6102番/4250トン)。
掃海艇と特務艇
荒井掘割り水路 吉倉桟橋をまわると掃海艇が。上の画像はあわしま(670番/490トン)とさくしま(671番/490トン)。
機雷に反応しないように、掃海艇の船体は木でできているという説明にびっくり。
木造の軍艦・・・、よくよく考えればなるほどだが、知らなかった。
その奥にあるのが特務艇・はしだて(91番/400トン)。これは何と賓客を迎える船で武装はないという。
海上自衛隊版の接待屋形船といったところか・・・。こんな船もあるのだ。
軍港ツアーはいよいよ秘境へ。左にベイスターズの長浦練習場を見ながら、昔陸続きだったところを分断した荒井掘割り水路を進む。
遠くに横須賀プリンスホテルを眺めるのどかな船旅だが、上の画像の右の山は海上自衛隊の弾薬庫。何かあったら大変なエリアなのだ。
水路を越えると、横須賀市内唯一の市営桟橋である長浦桟橋が見える。晴れた休日、釣り客でいっぱいだ。
ここから先の船越地区も海上自衛隊のエリア。
護衛艦・はつゆき
日産の自動車運搬船 掃海隊群司令部の前には何隻もの木造掃海艇が控えていた。
そして奥には護衛艦・はつゆき(122番/2950トン)やしらゆき(123番/2950トン)が巨体を休めていた。
船のアナウンスはしらゆきの武装について詳しく説明をしている。
アスロック装置62口径76ミリ速射砲などと言われてもぜんぜんわからないが、どうやらすごい装備のよう。
これらが火を噴かないことを祈るばかりだ。
さて、軍港エリアを抜けるとツアーはもう終盤。
リサイクルプラザ・アイクルや日産追浜工場、そして住友重工のガントリークレーン[右の画像]が見えてきた。
上の画像は日産自動車の自動車運搬船。ここからたくさんの車が輸出されている。
もともとここは海軍航空隊の横須賀第一飛行場があったところで、やはり旧日本海軍の最重要地点だったエリア。
ガントリークレーンが見えた
平和な港に帰ってきた 手元にある昭和19年の横須賀の地図を見ると、見事に今まで通ってきた軍事施設がまったく書いていなかった
そんな機密地帯を今こうして船に乗ってながめているのも何だか不思議な気分だ。
世界を見つめる要衝地帯は、同時に世界から注目されているホットなエリア
このエリアをのんびりと船でめぐれるゆとりが、どうかいつまでも続きますように。

このツアーの詳細地図はこちら→横須賀ネイビークルーズ詳細地図

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2002.5.13