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      風とみどりの峠みち〜三浦半島縦断ウォーク【その3】      

風とみどりの峠みち〜三浦半島縦断ウォーク【その3】


●もくじ●
【その1】ループと谷戸と峠を越えて〜十三峠への道
JR田浦駅をスタートして谷戸を抜け、ループを見ながら峠をめざします。
【その2】コンクリートを越えていく〜阿部倉への道
塚山公園を下り、コンクリートの要塞を通って阿部倉エリアに入ります。
【その3】続く急坂、ヨコヨコまたぎ〜大楠山ろくへの道
大楠山を前にして立ちはだかるのがキツイ急坂。ヨコヨコを2回またいで進みます。
【その4】海賊たちは丘をのぼる〜衣笠山への道
三浦氏の要塞だった衣笠城址。春には桜が咲き乱れる山から見える絶景は・・・。
●広域地図●
Map-2 三浦半島北部 │ Map-16 三浦半島中央

続く急坂、ヨコヨコまたぎ〜大楠山ろくへの道
巨大コンクリートが横たわる阿部倉。
横横道路の横っ腹には、小さなトンネルが口を開いている。
そこをくぐると、目の前には突然、広大な大楠山エリアが開けた。
後ろを向くと灰色のコンクリート。
そして前には冬色の森
山に向けて一歩踏み出すと、久々に感じる土の道が懐かしく感じた。
横横をくぐる
ここから大楠山ろくへ向かう そんな土を踏みしめながらゆっくりと歩いていくと、すぐにコンクリートの細い橋が見えた。
下にはさらさらと清流が流れ込んでいて、冬の光にキラキラと輝いている。
・・・と、これだけ見ると快適な森のウォークという感じがするが、何となく、違和感が。
あっちこっちで、木が折れているのだ。
例えば清流の片側の斜面に密集する竹林。
奥のほうは青々とした竹がすくすくと伸びているようだが、手前にあるものはやせ細っていたり茶色になっていたり、そして死んで横たわっているものがたくさん。
竹だけでなく、太いのから細いのまで、いろんな木がボッキボッキと折れそこらじゅうに散乱している。
清流が流れる
何となく「?」な森 そして何となく植生がヘンな感じ。
よくわからないが、雑木林にしてもあまりにも雑多な植物が生えすぎていて、そのどれもが元気がない印象・・・。
森の木には全然詳しくないので、あるいはこういうことって冬の森にはよくあることなのかもしれないが、今まで歩いたどの森とも違い、何となく生気が感じられない気がしたのはどういうことなんだろう。

横横道路を見る 人工の橋
大楠山に向かって道は続く 竹がボキボキと折れている
森に差す日ざし ヘンな感じの森

そんなことを思い始めたら、ここをたった一人で歩いていることが何だか怖くなってきた。
そういえばちょっと薄暗いし・・・。
自然とだんだん早足になっていったが、そのペースに立ちはだかったのが長い長い階段だ。
だんだんと道が細くなり、そして傾斜が急になってきたと思ったら狭い階段が現れたのだ。
大楠山に近づいていく
長く長く続く階段 一歩一歩のぼりはじめる。
こういうウォークルートにある階段は幅が狭すぎたり広すぎたりとあんまり歩く人のことを考えてないものも多いけれど、ここのは適度
下を慎重に見ながら、少しずつ登っていくが、段を踏んでも踏んでもなかなか終わらない
あのカーブを曲がればフツーの道か?
・・・と思ってのぼると、その先にはまたもや果てしない階段が。
しかも気がつけばだんだんと傾斜が厳しくなっている
さらにはどこにも休む場所がないから、これは脚に自信のある人専用だ。
さっきから、もう何百回もスクワットを繰り返しているよう。
パンパンの腿、筋肉痛必至だ。
まだまだ続く
おいおい、まだあるのか?? おいおい、まだあるのか!?
あんまり頭にきたので階段にカメラを置いてパチリ。
ここは最大の傾斜があったところだが、その感じ、伝わるかなぁ。
大楠山にはいくつかルートがあるけれど、傾斜で言えばこの阿部倉ルートが一番厳しいかもしれない。
脚の筋トレをしつつのぼること約15分
ようやく、尾根に上がってきた。
この先の分岐を右に行けば大楠山頂、そして左に行けば衣笠山へ出ることになる。
今回は左に舵を切る。
ふと気づくと、周りの森はいつもの大楠山の景色
明るい光が降り注ぐ”生きた森”に帰ってきたような気がした。
ようやく分岐に到着

鬱蒼とした森をひたすら上がる 上に行くにつれて日差しが

青空を見上げて歩く 分岐点で休憩しながら上を見ると、冬枯れの大木の向こうに青く澄んだ空が広がっていた。
それにしても今通ってきた道は何となく物悲しかった
大楠山に行くには西から前田橋ルート芦名口ルート、北から阿部倉ルート、そして南からは衣笠ルートの計4つあるが、阿部倉ルートはウォーキングとしてはちょっとつまらないかもしれない。
大楠山から一気に下山するときにはかなりの時間短縮になるが、逆は大変。
ここは昔からある道なんだろうけど、阿部倉温泉で元気をつけてから「さあっ!」って上り始める気持ちがよくわかる。
やはり、このルートは山を楽しむんじゃなくて、もともと仕事や生活のために開かれた道なのかもしれない。
多少キツくても、効率的な道が必要だったのだ。
尾根の道
こもれびがまぶしい そういえば、こんな話を聞いたことがある。
明治の初め、横須賀製鉄所ができた時にその工場に勤めることになった人々がたくさんいたが、その中には西海岸に住んでいる人もけっこういたという。
彼らは毎朝、芦名側から大楠山に入って阿部倉側に下り、現在の汐入にあった製鉄所に”通勤”していた。
なんと、この道を、毎日往復していたのだ。
月曜から土曜まで”定時に会社に行く”ことが日本で初めて定着した横須賀製鉄所。
今の通勤ラッシュの遠因は、意外とこの大楠山をめぐる阿部倉ルートのキツイ階段にあった、なんて言ったら言い過ぎだろうか?
とにもかくにも、通勤の道だったとしたら何となく納得するルート。旧阿部倉トンネルができるまでは、ラッシュの道だったに違いない。
衣笠ルートを軽快に歩く

阿部倉ルートと衣笠ルートの分岐点 冬枯れの山をあるく

送電線とウォーク さて、衣笠山ルートに入ると道は一転して軽快になった。
尾根の上を通るので明るく、アップダウンもあまりない
が、その代わりまたもや現れたのが送電線
ここからしばらくは、ほとんど電線に沿って歩いていくような感じになる。
頭上にあるのがロープウェイだったらいいのになぁ、なんて思いながらあるく。
大楠山に向かうハイキングコースには、ところどころに右のようなクイズ看板がある。
横須賀市に関する3択クイズが書いてあって、右下の矢印を上げると答えの番号が見える仕組みだ。
ここは「明治7年にできた市内初の水道の水源地はどこでしょう?」。
もちろん、答えを見るまでもなく正解しながら次へ。
クイズをしながら・・・
桜の木がある道をいく でもたまに落書きで番号が書き換えられたりしているので要注意だ。
ここを通るハイカーの皆さんにヘンな知識がついたら大変だから、頼むから「」とか「」とか「」とか上書きするのはやめてもらいたい。
そんな中で一問だけ、わからないものがあった。
「横須賀市と姉妹都市になっているブレスト市はどこの国にあるでしょう?
答えを見てふむふむ、なるほどなぁ、なんて感心しながら歩いていたら、突然舗装された道に出会ってびっくりした。
のどかな山道が続いていたところへこのコンクリート。
何だ何だこれは?
と思っていると、前方にはこの道をまたぐように小さな鉄橋が見える。
ハイキングコースは突如、途切れていた
処分場への道
こんな手すりが・・・ どうやら、この道の建設でハイキングコースが強引に変更されたらしい。
鉄橋に上がると、ものすごい幅の広い手すりがあった。
これでは子供はカンタンに落ちてしまう。しかもけっこう錆びているから、大人でも手すりに近づくのは怖い
どういうわけだか知らないけれど、ちょっとこれはないんじゃないかなぁ。
鉄橋を渡ると、ガケ沿いの、これまたちょっと怖くて細くて手すりのない道が。
人にやさしくないなぁ。
ここから少しの間はハイキングコースが途切れ、舗装された道を通ることになる。
しかしこの道はダンプカーやゴミ収集車が頻繁に通るので、注意が必要だ。
道端の表示を見ると、この道の奥にはゴミ埋め立て施設の残土処理場があるようだった。
少しの間、舗装された道を通る

明るい道をいく 木々の間から海が見えた
送電線の群れ 鉄塔の真下で
突如変更になる道 広大な土地は何になるんだろう

◇続きはこちら→【その4】海賊たちは丘をのぼる〜衣笠山への道

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2003.2.15