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| 山の上のドライドック〜小栗上野介ドラマロケレポート |

| 湘南国際村内 ※現在は取り壊されて、ありません |
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| ●小栗上野介についてはここへ↓● 700億円の男・小栗上野介〜ヴェルニー公園21世紀 ●ドラマ原作者のサイトはここ↓● 大島昌宏 Official Web Site 原作:『罪なくして斬らる〜小栗上野介』(学陽書房人物文庫) |
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| 小栗上野介がドラマになるという。 2003年、NHKの正月時代劇スペシャルに『またも辞めたか亭主殿〜幕末の名奉行・小栗上野介〜』というタイトルで登場するのだ。 原作は横須賀在住だった新田次郎賞作家・大島昌宏の『罪なくして斬らる〜小栗上野介』。 幕府が終焉を迎えようとしていた大混乱期に奔走した小栗。 必ずどこかで必要とされ、そして率直な物言いで免職、そしてまた登用されては辞職・・・勘定奉行をはじめとする幕府の要職を何十回も行き来したアツい男のストーリーが軽快に描かれていておもしろい。 |
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ドラマで主役の小栗を演じるのは岸谷五郎。 ”魂の俳優”とされる彼と信念の男、小栗上野介はどこかとってもよく似ているような気がする。 その岸谷五郎を動かすのが脚本の鄭義信(チョン・ウィシン)だ。 彼は1993年の映画『月はどっちに出ている』で岸谷とコンビを組んでいる。この年の映画賞を総なめにした作品だ。 数ある小栗関係本の中で、彼は大島昌宏の原作が一番おもしろく、そしてドラマ化を熱望したという。 小栗と岸谷をどう料理していくのか、注目だ。 |
| このドラマにはもちろん横須賀製鉄所の建設場面が登場する。 9月末の晴れた日、そのロケにお邪魔させてもらった。 湘南国際村のさらに奥を進むと、何とそこには巨大なドライドックがあった。船の建設をする港の施設が、山の中に登場したのだ。 ここはNHKと横須賀市観光課の方が苦心のロケハンの末に探し当てた場所。 周囲は宅地造成予定地で、不動産会社から現状復帰の約束をして借りたものだという。 |
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原作に登場する当時の横須賀の地形とここ湘南国際村の雰囲気は非常によく似ている。 ここにつくったドックは実物の3分の1ほどの長さだろうか。上の画像の奥にある青い幕は、後でクロマキーと呼ばれる画像処理のためのもの。 実際の画面には遠く横須賀の海が映っているはずだ。 ドックの中では、40名を越えるエキストラの人たちが作業をしていた。 横須賀市観光課でJAをはじめ、いろいろな団体やメールで個人に呼びかけ、集まったのだ。 |
| 朝6時から夕方まで、たくさんの待ち時間を挟んで延々と撮影は続く。 エキストラのみなさんはみんなよく日に焼けているなあ、と思ったら、体にドーランをぬっているのだという。 行ったり来たり黙々と作業する。 実際には3分ほどの場面になるらしいけれど、エキストラも大変だ。 |
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さて、小栗の妻道子を演じるのは時代劇初挑戦の稲森いずみ。 「ロングバケーション」で見せたようなほわっとした感じではなく、凛とした雰囲気。 実際の道子は小栗を支え続け、小栗が処刑された後は江戸に戻って”逆賊の妻”という周囲の視線に耐えながら不遇な日々を送ったのだという。 そんな道子をどう演じていくのか、楽しみだ。 |
| また、当日はいなかったが、小栗とことごとく対立していくライバル、勝海舟には西村雅彦が登場。 この2人が最後に腹を割って話す場面が原作にあるが、本当にゾクゾクする。 そしてこのドラマにはもう一人、時代劇初挑戦のフランス人がいる。 サッカー日本代表トルシエ前監督の通訳をしていたフローラン・ダバディがフランス公使ロッシュの通訳、カション役で登場するのだ。 この日はいなかったが、アヤシイ通訳はこの時代によく合っているのかも・・・。 |
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よぉ〜、い、スタート! 奥の丘の上からメガホンの声が響き渡り、エキストラの人たちが一斉に動き出す。それを高台に設置されたカメラが追っていく。 この小山は前からあったものらしいが、撮影にはちょうどいい場所。 上ってみると、けっこうな勾配だ。 ここでは、建設中の横須賀製鉄所を小栗一行が視察するシーンの撮影が行われていた。 クロマキーを前に撮影が進む。 一行の前に現れる景色は完成までのお楽しみだ。 |
| カ〜ット! この声でチェックをし、オッケーが出ると次の場面へ。 ドラマは”待ち”の産物だ。 1シーン撮り終えると待ち、別のシーンが終わると演じ、また待ち、休憩、着替え、演技、待ち・・・これの連続。 待ちごとに山を降りるのも大変だ。出演者たちの長い列が仮設階段にできていた。 |
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そんな”待ち”の部屋、控え室をのぞかせてもらった。 湘南国際村にできたベラピスタというレストランの下にある水道局の倉庫だ。 ここまで5分くらいロケバスで行き、着替えてまた現場・・・俳優も体力勝負だ。 控え室の中には刀やカツラ、それに衣装がずらっと各種そろっていた。 地下足袋だけでも数十足ある。 ドラマって莫大なお金がかかるのだ。 |
| 控え室前のテラスは湘南国際村全体と相模湾まで良く見渡せる絶好のビュー。 ここでは岸谷さん、稲森さん、それに小栗の部下役の堀部圭亮さんが景色を見ながら休憩していた。 岸谷さんは原作を丹念に読み、役作りをしてきたという。 実際の小栗には顔に”あばた”がたくさんあったが、今回そのメイクに苦労したらしい。 あんまりリアルにするとハイビジョンなので目立つし、なさすぎるのも雰囲気が出ない。 ちょっと大胆なそばかす、みたいになったメイクは当日のお楽しみ。 |
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小栗上野介は昭和33年まで墓の存在すら隠され、常に「明治政府への逆賊」という一方的なイメージが植えつけられてきた。 そんな”当たり前”だった歴史にもう一方の視点が与えられ、最近になって再評価の動きが出てきている。 2003年1月3日、小栗の新しい歴史と、そして彼の手がけたドライドックが復活する。 たくさんのスタッフとエキストラ、そしてキャストがチャレンジする新史観。 こうして歴史は、また新たな一歩を踏み出していく。 |
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| 2002.10.15 |