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| 清流とトンネルとニリンソウをもとめて〜大楠山ろくウォーク |

| 横須賀市芦名 | [地図] |
| ●アクセス● JR逗子駅・京急新逗子駅から京急バス 〔逗4〕大楠芦名口・〔逗5〕横須賀市民病院・ 〔逗6〕長井・〔逗7〕佐島マリーナ入口 行きのいずれかに乗って約30分 【大楠芦名口】バス停下車 そこから徒歩15分ほどで山道入口 |
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| ●さらに詳しく・・・● 芦名の開発についての詳細はこちら↓ 三浦半島かんきょうフォーラムホームページ |
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標高241.3mの大楠(おおぐす)山。 三浦半島最高峰のこの山の周辺は手軽なハイキングコースとして、そしてオオタカをはじめとする貴重な動植物の宝庫として知られるオアシスだ。 しかしこの山にも開発の波がじわじわと訪れている。 ゴルフ場・横浜横須賀道路・湘南国際村・・・。 |
| 周囲の自然が徐々に形を変えていく中で、また新たな開発計画があるという。 谷と清流がまるごと埋まってしまう産業廃棄物最終処理場計画だ。 この計画によって、自然はどうなってしまうのだろうか? ぽかぽか陽気の中、新緑の大楠山麓を、歩いた。 |
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大楠山麓への道は2つある。 ひとつは横須賀市池上のしょうぶ園を超えて横横道路をくぐる東ルート、もうひとつは横須賀市芦名からたどっていく西ルートだ。 いずれも東西を横断できるが、今回は芦名から入って途中で折り返す西ルートをとった。 大楠山には登らずに、その脇を通るウォークだ。 |
| 三浦半島西海岸を国道134号線に沿って走り、芦名の京急ストアから山側へ入ると。新しい2車線道路ができていた。 いずれは大楠山麓を突き抜けて横横道路をくぐるらしいが、3分ほど走ると突然、この道は途切れていた。 ここからは自然の中を歩くルートになる。 広い道に車を置き、畑の中にある山道を歩き出す。 |
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右側の畑には菜の花が咲き乱れていて、モンシロチョウがふわふわと飛んでいる。それに、先の山道でも大きなアゲハチョウを見かけた。こんな景色を見るなんて久しぶり。 少し歩くと、松越川と呼ばれる清流が見えた。 大楠山を源流とし、西海岸に流れ着くこの川は水質もきれいだし、貴重な生物も豊富だ。 水辺に下りて川にデジカメを向けていると、背後でぶんぶんという音が・・・。 ふと見ると、ミツバチの大群だ。 |
| あわてて引き返したが、そばにいた人に聞くと大木の根元に去年できたハチの巣があるという。 何もしなければ人には危害を加えないというのでもう一度近づいてみた。するとやはり、木の根元にはハチの巣があるらしく、ひっきりなしにミツバチが出入りしていた。 とっても忙しそうなミツバチ。ここでは人間はただそっと見守るしかない。 |
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奥に向かう山道はさほどアップダウンがあるわけでもなく、なだらかな登りといったところ。 シダ類・ミツバ・杉など、たくさんの植物がのびのびと育っている。 途中、タラの芽やミツバを採っている地元の人に出会った。聞けば、ミツバは足元のあちこちに生えているらしい。さっそく探してみたら、あった。大きなミツバだ。 大量採取は論外。2・3本を抜いてにおいをかぐと、ミツバ独特のさわやかな香りがした。大楠山の恵みは食卓に新鮮ないろどりを添えてくれるのだ。 |
| この先に行けば行くほど、清流は谷を形作っていく。 山道から見ると、10mくらいの谷の底に、松越川は相変わらずきれいな水をたたえている。 その谷に、さび切った車が見えた。まさか山道を走っていて転落したのではあるまいが、こんな自然の中に巨大なゴミはやっぱり異質だ。 何だか申し訳なさそうに横たわっている茶色い物体。しかし自然にかえることは、ない。 |
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入り口から40分くらい歩いただろうか。 山が深くなってくると、道の左右にきれいなニリンソウが見えた。 ニリンソウ・・・4月から6月くらいにかけて咲く、たけが20cm〜30cmくらい植物だ。名前の通りひとつの茎に2つの花が咲くが、中には1本や3本咲くものもあるという。 そしてこの草は年間の3分の2ほどを地下の根だけですごす。 |
| 花が咲く前の茎は春の七草として食用になるらしいが、その茎の形が猛毒のトリカブトとそっくりなので、注意が必要というおもしろい植物だ。 緑の中に真っ白の小さい花。とってもエレガントだ。 大楠山麓ではこのニリンソウが奥に行けば行くほどたくさん見ることができる。 この花を求めてハイキングに来る人も多い。 |
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ニリンソウだけでなく、この山道の周囲にはシダ類をはじめとしてたくさんの貴重な植物が多いという。 歩いていると、左の画像のようなとってもきれいな花に出会った。ランのような、鮮やかな色だ。植物の名前にものすごく疎いことを後悔した。 ポケットに入るような植物図鑑を持っていったらもっと楽しく植物観察できただろう。 ※後日、これは『シャガ』という花であることを教えていただきました! |
| 沿道の植物を見ながら歩いて行くと、突然、前方に巨大な白いコンクリートが見えた。 大楠トンネルだ。 鮮やかな緑の道の向こう側に突如出現した建造物はかなり異様だ。 山道入口まで通っていた2車線道路が、このトンネルにつながるのだろう。 入口と出口は完成している。 残る開発は、この谷の埋め立てだけだ。 |
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全長290m、幅11m。1999年にできたトンネルだ。 それ以前は阿部倉トンネルと呼ばれ、車が通れない細くて怖いトンネルが一本通っていただけだった。 この道は戦時中、横須賀海軍工廠(こうしょう)へ西海岸に住んでいる人が通うためによく使ったというが、その通称”アベトン”がこんな巨大なものに形を変え、いずれ中を通るのは人ではなくトラックの列になっていく。 |
| トンネルをくぐると、折り返し地点。 この先を行けば横浜横須賀道路をくぐってしょうぶ園や平作に抜けることになるが、ここで引き返すことにする。 コンクリートの道を通り、薄暗いトンネルを抜けてまた山道に戻ると、何だかほっとする気分。 帰りは軽快な道だ。 途中、マウンテンバイクに乗って山道を楽しむ人々も多かった。この道はMTBにとっていいルートだろう。みんな大楠の自然の恩恵を楽しんでいる。 |
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松越川のせせらぎの音を聞き、うぐいすの声に耳を傾け、ニリンソウや大きなシダを眺め、谷に住むオオタカを探し、そして清流の水をすくう。 そこには人が作ったものは何もない。車の音も聞こえない。 帰り道、この谷が産業廃棄物の燃えがらやばいじんやヒ素の鉱さいやガラスで埋め尽くされるところを想像してみた。 そして、松越川の水がだんだんと汚れていくことを想像してみた。 |
| 何だか頭がクラクラするようなことだ。 オオタカはどこへ行ってしまうのだろう?ニリンソウはまた見られるのか?そしてミツバチは清流のそばに巣を作ることができるのだろうか? そして、このぽかぽか陽気の中で自然の中を歩くことはできるのだろうか? 人間の出したゴミの影響は、ものすごく大きい。 数年後に大楠山はどうなっているのか、とても心配だ。 |
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| 2002.4.22 |