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      花の笑顔と岩のささやき〜鷹取山ウォーク【前編】      

森の静寂、岩のささやき〜鷹取山ウォーク【前編】

三浦半島北部にある鷹取山。
切り立った断崖が連なる頂上付近はまるで別世界にいるような気分にさせられる。
京急田浦からこの山を目指し、富士山を眺め、そして一転して静寂に包まれる神武寺の森を抜けるルート。
梅や桜が咲き乱れる春の道を、歩いた。

●今回のルート●
京急田浦駅→鷹取山→神武寺→JR東逗子駅
●データ●
*全行程約5kmほどです。
*休憩を含めて3時間ほどのルートです。
*途中岩を伝う危険な箇所があります。
また岩の上はすべるので、しっかりとした靴が必要です。
*雨の降った日やその後は十分気をつけて歩いてください。

●もくじ●
【前編】青空、こもれび、花の道〜鷹取山への道
京急田浦駅をスタートして梅や桜を眺めながら切り立った鷹取山を目指します。
【後編】岩の絶景、森の静寂〜神武寺への道
鷹取山の展望台で切り立った岩と富士山を堪能して、神武寺の森に入っていきます。
●広域地図●
Map-2 三浦半島北部 → Map-1 逗子・葉山

青空、こもれび、花の道〜鷹取山への道
京急田浦の駅に降り立つと、深い深い春の青空が広がっていた。
田浦警察署前を左に入り、ちょうど駅の裏側に回りこむようにして南郷公園に出る。
取材した日はまだ梅の花が咲いている頃だったが、後日ここに行ってみると満開のソメイヨシノが小さい公園全体に咲き乱れていた。
満開ソメイヨシノ
花見客でいっぱい 普段は日常の風景が広がるこの小さな公園も、春のほんの数日間はハレの雰囲気で満たされ、桜の群れは胸を張って青空の下で咲き誇る。
そんな薄ピンク色に彩られた中で、たくさんの家族連れがひしめき合うようにして桜の宴を楽しんでいた。
田浦の春
それは、この公園の桜が告げるものなのだ。
さて、「鷹取山ハイキングコース」と書かれた看板を横目に細い山道に入る。
地図を見ると、尾根の部分をずっと伝っていくようだ。
そのせいでハイキングコースは深い森の中を歩くというわけではなく、明るく歩きやすい道を行くことになる。
冬を越した雑木林はどことなく殺風景で彩が寂しいが、そんなちょっと物悲しい気分を春の花が吹き飛ばしてくれた。
歩きやすい道
梅の花と京急線 梅の花だ。
入口から15分ほどのところに梅の花が数本植えてあって、そこからは梅越しに京急の電車を見ることができた
あっちこっちに咲き乱れる梅の花を眺めるのもいいけれど、こうやって日常の風景に春のアイテムがワンポイントで入り込んでいるのも悪くない。
梅の木に近寄って上を見ると、どこまでも澄んだ青い空に向かって白い花が開いていた。
このとき、梅の季節ももう終盤。
間もなく役割を終えて桜の花にバトンタッチし、その後は深緑の季節を迎えるのだ。
三浦半島の道にはいつでもささやかな四季のバトンタッチが生きている。
山を歩くのにベストシーズンはないんだな、って思った。
青空に映える梅

梅も終盤 桜も満開
ここを左折 春のこもれびがまぶしい
山に入っていく 春の道を歩く

水仙も咲く そんな春を彩るもうひとつの主役である水仙も途中に群生していた。
ぽかぽか陽気の中、やわらかな春の光を浴びながら、白く鮮やかに咲く水仙。
冬枯れの小道に輝く紅一点のような雰囲気をたたえていた。
こんな時期に山に入っても殺風景なだけだろうと思っていたが、三浦半島の野山にはやっぱりいつでもバラエティーに富んだ景色が広がるのだ。
しばらく歩くと、春を告げる花エノシマキブシが見えた。
3月、関東南部の海に近い場所に咲く花だ。
観音崎でよく見かけるけれど、ここもそういえば海に近い場所。
地図を見ると直線距離にしておよそ1kmほどで長浦港に行き着く。
山に入りながらも常に海を意識できるのは、三浦半島ウォークの特徴でもある。
エノシマキブシ
さて、京急田浦を出てから30分ほどで田浦ルートが終わり、ここから鷹取山エリアに入る。
ここの分岐が少しわかりにくいのでちょっと解説。
看板が見えたら
看板が見えたら
ここを直進
この先を右へ
ここを左に
ここを左に上がる
この先を右へ
この先を右
海が見えた 鷹取山ルートに入って宅地造成地の横をどんどん上がり、ふと後ろを振り向くとバーッと海が広がっていた
少し高いところに出ると必ず海が見える・・・三浦半島の山を歩くのはこれがあるから好きだ。
この日はとっても天気が良く、長浦港や遠く房総半島・富津岬まできれいに見渡すことができた。
しばらく海を眺めてから歩き出すと、もはや三浦半島ウォークですっかりおなじみになった送電線の巨大な鉄塔が出現した。
三浦半島・中央部分の山々を伝って北へのびる大量の電気。
三浦半島の背骨は、京浜工業地帯の工場群を支える重要な電力供給の道でもあるのだ。
おなじみの鉄塔
巨木が生い茂る この鉄塔を越えてしばらくの間は、高い杉林の中を通ることになる。
さっきまでは頭上からさんさんと春の太陽が降り注いでいたが、このエリアは一転して肌寒い森
スギの葉の隙間から差し込む無数の木漏れ日がうれしい。
そんな森の中で上を見ながら森林浴を楽しんでいたら、突然、転んだ
とっさにデジカメをかばい、何とか腕のスリ傷で済んだが、見れば足元にはうっすらコケの生えた岩が。
よくよく考えたら、この鷹取山は昔採石場だったのだ。
三浦半島エリアによく見られる、比較的やわらかい岩盤を切って建築用に使っていた場所。
実際ここから先は、ほとんどが岩の上を通る道だった。
足元に注意

春になると木々の色も変わる こもれびがうれしい
明るい道 自衛艦が見えた

湘南鷹取に出た 田浦エリアとの分岐からおよそ20分。
突然、森が終わり、湘南鷹取の住宅地の端に出た。
それにしても風がものすごく強い
本来ならば森の木によって風がある程度防げたのかもしれないが、今やここの木々はなすすべもなく風にさらされている。
1960年代の末から始まったこの宅地造成は、森の姿を一変させてしまったに違いない。
その住宅地をぐるっと回り込むように、山道は続いていた。
足元は石畳だったり岩の道だったり、そして土の上を通ったり。
すると、後ろから2台のマウンテンバイクがやってきた。
ゴツゴツした岩の起伏を巧みに乗り越えて、マウンテンバイクは微妙なバランスを楽しむように進んでいく。
青空の下、ここの楽しみ方は千差万別だ。
マウンテンバイクが通っていった
妙義に似た景色 しばらく行くと、遠くに険しい岩山が見えた。
その風景から「湘南妙義」とも呼ばれている鷹取山。
コンクリートブロックの普及によって採石が行われなくなったものがそのままの姿で残っているのだ。
ここが三浦半島であることが不思議に感じるような景色。
鷹取の岩は、妙義山の峻険な雰囲気をほうふつとさせるように青い空に切り立っていた。
そんな景色に会いたくて、思わず早足になっていく。
ゴツゴツした岩を慎重に越え、平らな土の道を歩き、最後の階段を一つ一つのぼっていくと、目の前には巨大な岩がそそりたっていた
切り立った岩が見えた

スギ林が広がる 長浦港
起伏のある道 細く明るい山道が続く
再び明るい道を歩く 岩の道が続く
岩の道を越えていく 平坦な土の道

◇続きはこちら→【後編】岩の絶景、森の静寂〜神武寺への道

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2003.4.25