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| こしひかりのくらす谷〜葉山・ハダシの田植え体験 |

| 葉山町・鬼ケ作 |
| ●金田さんとのコンタクトはこちら● 神奈川農環境自主保全協力グループ「こさく」 |
| 山がちな三浦半島には、山と山に挟まれた谷の集落、谷戸(やと)がたくさんある。 そしてちょっと山に入ると、谷戸を利用した畑や田んぼをちょくちょく見ることができる。 そんな場所の一つ、葉山・鬼ケ作(おにがさく)の谷戸田。 ここで数年前から米作りをしている金田さんと知り合った。 5月末にはいよいよ田植え。めったにない経験なので、ちょっとお邪魔することになった。 |
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田んぼのある場所までの道は狭く、本当にこの先に田んぼがあるのか?と思うような道のり。 当日は雲ひとつない晴天で暑く、太陽をさえぎる新緑がとっても鮮やかだ。 軽いハイキングをしているつもりで山道を進んでいくと、突然、前方に5枚の田んぼが出現した。 遅れて昼過ぎの到着だったが、すでに朝からの作業には30ほどの人々が参加していた。 金田さんの主宰する『神奈川農環境自主保全協力グループ「こさく」 』のメンバーや、その知り合いの方たちだ。 |
| 金田さんたちがこの谷戸田と出会い、そして稲と格闘して約8年になる。 最初1枚だった田んぼをだんだんと増やしていき、今年は一番下まで5枚に。 毎年の田植えや稲刈りには、メンバーの方々とその知り合い、ネットで見てた人、その家族や知り合い・・・と各地からたくさんの人が駆けつける。 今年も大盛況だ。 |
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この田んぼで作るのはコシヒカリ。 上の4枚の田んぼにはうるち米(主食用)を、そして一番下の田んぼにはもち米を植える。 5枚の田んぼで大体2俵(約120kg)のコシヒカリがとれるそうで、これは田んぼで汗を流した仲間で分け、そしてもち米は年の暮れにみんなで餅つきをして食べる。 手作りの、究極のブランド米だ。 自然を楽しみ、その恵みを汗を流した仲間でいただく。それがこの田んぼの流儀だ。 |
| さて、いよいよ田んぼへ。 泥んこになることを想定して長ぐつを履き、しっかりとヒモを結んでいざ突入。 苗代から右の画像ほどの苗を取り、田んぼに入ってからさらに3〜4本ずつ泥の中に植えていく。 ・・・と書くと簡単そうだ。実際やる前は簡単だろうと思っていたが、そう甘いものではなかった。 まず、しゃがめないのが意外と辛い。 |
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しゃがんでしまうと尻が泥まみれになってしまうので、完全に体をくの字にして植えなければならない。この繰り返しに腰が痛くなりそう。 さらに、でたらめに植えていけばいいのではないので、苗の間隔を均等にしていくのが大変だ。 前方を見て基準になっている苗に縦線を合わせ、さらに左を見て横線を合わせながら慎重に植えていく。 これがものすごく難しい。田んぼに線がひいてあるわけでもないので、どうしても曲がってしまう。 |
| この日、鬼ケ作に集まった方たちはみんな気さくで元気。田んぼには金田さんの明るく甲高い声やみなさんの笑い声、子供たちの声がたくさんこだましていた。 腰を曲げながら隣の人と話しながら田植えをしていると、知らず知らずのうちに間隔が違ってきてしまい、その少しのズレがやがてものすごい蛇行に・・・。 やれやれ、田植えはとっても繊細な作業なのだ。 |
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さらにやっかいなのが長ぐつ。 一歩移動する度にズボズボと泥に吸い込まれ、抜けない・・・。 コシヒカリを育む神聖な田んぼに素人が土足で踏み込むとは!と怒られているようだ。 そこで、思い切ってハダシで入ることにした。 しかし何ともこれが気持ちいい。 初夏の日差しに照らされて田んぼは生暖かくなっていて、下に行けば行くほどひんやりとしていく。もちろん移動もカンタン。 |
| これは病みつきになってしまうような心地よさだ。田んぼ・ハダシマニアが存在してもおかしくはない。 さて、当日はJ-COM湘南が取材に来ていた。 『湘南野外主義』という番組でこの谷戸田をずっと追っているのだという。CATYが見られる方は要チェックだ。 そうこうしているうちに、5つの田んぼに苗を植えて行く作業は終了。 谷戸田には、こしひかりの子供たちがきれいに並んでいた。 |
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ここに植えられた子供たちにはこの後、いったいどんなストーリーが待っているのだろうか? このあと一般的な水田では除草し、溝を掘り、水を抜き・・・と作業が続くが、谷戸田の水田では作業も方法も違うという。 その土地や環境や品種に合った育て方。 それを研究し、こだわりをもって稲と向き合っていくことが稲作りの醍醐味なんだろう。 そしてその成果が、秋の実りに結びつく。 苦労して育てたデリケートな子供が、やがて立派にたくましく成長するのを見届ける喜びは、何にも代えがたいものなのかもしれない。 |
| そうとはいえ、やっぱり農作業は大変。 ごはんつぶを残したら・・・というのをいまさらながらに実感した。 これが大規模になったらトラクターや機械がどうしても必要になってくるだろう。 しかし、さわやかな風を受けて自然の音に耳を澄ませ、そして大地の感触を足全体で感じ、小さな命を植え込んでいく作業は全ての基本。 こしひかりはこの谷の大自然に育まれて、やがて、秋の実りを迎えるのだ。 |
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| 2002.6.10 |